クマの頭を運ぶ絵空。
なにやら忙しそうだ。
ウキウキもしている。
「なにしてるのー?」と夫に尋ねられる。
「ああ、これ、運んでるんだ。」
と、みせかけてブン投げる。逃げる夫。
可愛さを装って、非常に巧妙なやり口。
その後も気に入ってなかなか離さない。
だけど、彼から見る世界はなんておおきいんだろうか。
こうやって、同じ目線でシャッターをきるたびに痛感する。
クマが体のはんぶんもあることも、
覚束ない足取りも、
成長の記録がそれを塗りつぶしていくだろう。
すぐに思い出になっていくだろう。
だから、もしも君がそれを忘れてしまっても、
わたしたちがきっと覚えていてあげる。